こんにちは、第2種電気工事士の合格を目指している☆しまじです☆
第2種電気工事士試験合格への道、第36回。今回は接地工事についての内容になります。
接地工事の目的と種類
電気が流れるところは、接地工事が必要です。接地工事とは、電線や電気機器をグランド(地球のことです)と電気的につなげて、漏電など何かあった時にそちら側に電気を流して安全を確保するための、工事のことです。
接地工事の目的
接地工事をするのには、次の目的があります。
- 感電防止
- 機器の損傷防止
- 火災防止
一番大事なのは、安全の確保。感電やけがをさせない為で、さらに電気機器を守る為でもあります。
接地工事の種類
接地工事には、下の表に表す4つの種類があり、危険なほど厳しい内容となっています。
種類 | 接地抵抗 | 接地線の太さ |
---|---|---|
A種接地抵抗 | 10Ω以下 | 2.6mm以上 |
B種接地抵抗 | 原則として、 |
2.6mm以上 |
C種接地抵抗 | 10Ω以下(地絡を生じた場合、0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設した場合は500Ω以下) | 1.6mm以上 |
D種接地抵抗 | 100Ω以下(地絡を生じた場合、0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設した場合は500Ω以下) | 1.6mm以上 |
用途としては、
- A種接地工事・・・感電防止のため、電柱の柱上変圧器に接続される
- B種接地工事・・・低圧側の電線において、高圧電路と低圧電路の混触を防止するために接続される
- C種接地工事・・・感電防止のため、低圧側の電気機器に接続される
- D種接地工事・・・感電防止のため、低圧側の電気機器に接続される
の様な目的で、接地工事がなされています。
また、移動して使用する電気機器のCおよびD種接地工事については、接地線の太さが、多心コード・多心キャブタイヤケーブルの1心以上とされています。
電気機器の接地工事
金属製の箱でおおわれている機械器具や、機械器具が乗っている金属製の台は次の表の接地工事が施されていないといけません。
機械器具の区分 | 接地工事 |
---|---|
300V以下の低圧用 | D種接地工事 |
300Vを超える低圧用 | C種接地工事 |
高圧用又は特別高圧用 | A種接地工事 |
100Vと200Vの低圧配線については、使用する電気機器をD種接地工事することとなります。
D種接地工事の省略と特例
低圧屋内配線で工事することが多くなるであろう「D種接地工事」ですが、条件によっては省略出来たり、特例があったりします。
D種接地工事を省略できる場合
次の条件においては、D種接地工事を省略できます。
・交流対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合
・低圧用の機械器具を乾燥した木製の床や絶縁性の物で取り扱うようにした場合
・電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機器を施設する場合
・電路の電源側に絶縁変圧器(2次電圧300V以下、定格容量3kV・A以下)を施設し、変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
・水気のある場所に以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、定格感度電流15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器を施設する場合
全部で、5項あります。電圧が低かったり、漏電の心配がない場合などは、省略できるんですね。
D種接地工事の特例
省略に続き、次の場合は特例が認められています。
・D種接地工事を施さなければならない金属体と大地との間の電気抵抗が100Ω以下の場合は、D種接地工事を施したものとみなす。
・C種接地工事を施さなければならない金属体と大地との間の電気抵抗が10Ω以下の場合は、C種接地工事を施したものとみなす。
すでに、規定の接地抵抗を得ているということですね。
例題1
【問題】
機械器具の金属製外箱に施すD種接地工事に関する記述で、不適切なものは?
- 三相200V電動機外箱の接地線に、直径1.6mmのIV電線を使用した。
- 単相100V移動式の電気ドリル(1重絶縁)の接地線として、多心コードの断面積0.75
の1心を使用した。
- 1次側200V、2次側100V、3kV・Aの絶縁変圧器(2次側非接地)の2次側電路に電動丸のこぎりを接続し、接地を施さないで使用した。
- 単相100Vの電動機を水気のある場所に設置して、定格感度電流15mA、動作時間0.1秒の電流動作型漏電遮断器を取り付けたので、接地工事を省略した。
【解き方】
D種接地工事の施工内容と、省略の条件に適合しているかどうかを見極めることが目的の問題ですね。では、順番に見ていきましょう。
まずは1から、D種接地工事の接地線の太さは、1.6mm以上なので、適しています。
続いて2について、絶縁が施してある電気機器ですが、接地工事が省略できるのは電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造された電気機器で、今回は1重絶縁であり接地工事が必要です。さらに、移動して使用する電気機器であり、この場合のD種接地工事は、接地線の太さが、多心コード・多心キャブタイヤケーブルの1心0.75以上とされています。多心コードの断面積0.75
の1心を使用して接地してある為、適正と言えます。
さらに続いて3について、D種接地工事を省略できる条件として、電路の電源側に絶縁変圧器(2次電圧300V以下、定格容量3kV・A以下)を施設し、変圧器の負荷側の電路を接地しない場合とあり、今回の電動のこぎりについては条件を満たしている為、D種接地工事を省略でき、適正であると言えます。
最後に4について、定格感度電流15mA、動作時間0.1秒の電流動作型漏電遮断器を取り付けるまでは、D種接地工事を省略できる条件となっていますが、水気があるところというのがアウトです。水気のある場所以外ということなら適正ですが、今回は不適正となります。
よって、正解は4ですね。
【解答】4
例題2
【問題】
使用電圧300V以下の電路に施設する電動機の接地工事で誤っているものは?
- 定格感度電流30mA、動作時間0.2秒の漏電遮断器を施設するので、接地工事を省略した。
- 電動機の鉄台と大地との間の電気抵抗が100Ω以下であるので、接地工事を省略した。
- 乾燥したコンクリート製の床上に施設した単相100Vの機器の接地工事を省略した。
- 電動機を乾燥した木製の床上で取り扱うので、接地工事を省略した。
【解き方】
例題1に引き続き、D種接地工事を省略できるかどうかを判断できるかどうかが、問題を解くカギになります。
まずは1から、これは、D種接地工事を省略できるのは、定格感度電流15mA、動作時間0.1秒の電流動作型漏電遮断器の取付けであり、仕様を満足していない為、不適切です。いきない、1が答えですね。
他の2についてはD種接地工事の特例に合致し、3、4はD種接地工事の省略に適合する為、適切な処置と言えます。
【解答】1
今日のまとめ
今日は、「接地工事の目的と種類・D種接地工事の省略と特例」について学びました。D種接地工事の省略と特例については、さまざまな条件と数値がある為、理解と馴れが必要ですねっ
次回は、電線を保護する金属管工事についてになります。
それでは
第37回 電線を保護する金属管工事についてはこちら。