大空を自由に羽ばたく、大型旅客機。何tonもある、鉄の塊が空を飛べるなんて、いったい誰が思ったでしょう。アメリカ最大の航空機メーカーである、ボーイング【BA】について、徹底分析していきます。こんにちは、アメリカ株で資産運用をしている☆しまじです☆
目次
- ボーイング【BA】とは
- ボーイング【BA】の企業情報
- 30年間の株価推移
- 売上高と利益の推移
- 資本の推移
- EPSとPERの推移
- BPSとBPRの推移
- ROEとROAの推移
- 配当金の推移
- キャッシュフローの推移
- まとめ
ボーイング【BA】とは
ボーイング【BA】とは、アメリカ、イリノイ州のシカゴに本社を構える、世界最大の航空機、宇宙機器を開発製造している会社です。大型旅客機がメインですが、他に、軍用機やミサイルなども手掛けています。
また、ヨーロッパのフランスに本社を置くエアバスとは、世界の市場を2分するライバル会社となっています。
創業は、1916年で、ウィリアム・E・ボーイングとジョージ・コンラッド・ウエスターバレットによって設立されました。はじめは、軍用機の製造から始まり、それから大型ジェット旅客機へと転向しています。そして、1997年には、アメリカで航空機最大手のマクドネル・ダグラスを吸収し、さらに、航空宇宙分野にも手を広げ、大きく成長していきます。
ボーイング【BA】の企業情報
事業内容 : 航空機、軍用機
ミサイル防衛システム、有人宇宙飛行・着陸システム など
セクター : 工業
社名 : Boeing Co.
市場 : NYSE「ニューヨーク証券取引所」
従業員 : 140,800人
決算 : 12月
配当月 : 3,6,9,12月
30年間の株価推移
ボーイング【BA】の株価の推移です。30年間の株価チャートがこちら
大きく株価を下げたのは、リーマンショックの時です。約半分まで、下落しています。これ以外では、平行線を辿ることもありますが、ほぼ上昇を続けており、30年間で、約26倍になっています。特に、2017年からの上昇は凄まじく、150ドルほどだった株価が、300ドルを超えるところまできました。これだけ急上昇すると、今後に、少し不安を思えますが・・・。どうなるでしょう。
売上高と利益の推移
続いて、売上高と利益について、過去10年間の推移です。
けして営業利益率が高くはないですが、売上高、営業利益、そして純利益、すべてが毎年増え続けています。最終的な2017年、純利益が82億ドル、そして営業利益率は11%と、ここ10年間で最大の伸びをつくり、株価も大きく上昇している年となっています。
資本の推移
続いて、資本についてみていきます。過去10年間の推移がこちら。
総資産は、2008年から年々増え続けています。2014年からはほぼ同じ水準となっており、900億ドルオーバーといったところです。対し、自己資本については、マイナスから、2013年までプラスに転じ増え続けていますが、その後は、極端に減らしていっています。2017年には、ほぼ0%に近いところまできました。
ホーム・デポ【HD】やベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】と同じく、自己資本を大きく減らしていっている財務状況となっています。
ホーム・デポ【HD】の徹底分析はこちら
EPSとPERの推移
次は、1株あたり利益「EPS」と株価収益率「PER」の過去10年間の推移になります。
1株あたり利益「EPS」については、毎年、利益が増えるとともに比例して増え続けています。株価収益率「PER」も、2009年は30倍となりましたが、それを省くと、株価の上昇とともに増え続け、現在では約22倍となかなか割高となってきました。
BPSとBPRの推移
続いて、1株あたり純資産「BPS」と株価純資産倍率「BPR」についてです。過去10年間のデータがこちら。
1株あたり純資産「BPS」は、自己資本の保有に比例した形となっています。同様に、株価純資産倍率「BPR」にも、影響を与え、2016年から急上昇をはじめています。2017年には512倍にも。やはり、自己資本が極端に減ると、分析が出来なくなってしまいますね。
ROEとROAの推移
株主資本利益率「ROE」と総資本利益率「ROA」の過去10年間の推移です。
株主資本利益率「ROE」についても、自己資本が大きく減っているため、データがものすごく分析しにくくなってしまいます。2017年には、約2,309%ととてつもない数値となりました。
「ROE」の数値が大きすぎて、総資産利益率「ROA」がほぼ見えませんが、約5%くらいを推移していき、2017年に、8.9%となりました。悪くない数値です。
配当金の推移
気になる配当金と配当利回り、過去10年間の推移がこちら。
2014年から、大きく増配をはじめています。増配が始まる前から株式を保有していれば、大きな配当利回りを手に出来ました。増配と一緒に株価も上昇しているため、配当利回りは、上昇せずに、2017年に約2%程となっています。
続いて配当性向です。
2009年、利益の減少により、配当性向が90%程になりましたが、その後は落ち着き、30%~60%の間を推移しています。これだけ増配をしている中で、安定した配当性向となっています。
キャッシュフローの推移
最後に、キャッシュフローの推移になります。過去10年間のデータがこちら。
営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローがともに右肩上がりとなっており、財務状況の良好さを伺えます。また、投資キャッシュフローは、非常に少なく、20億ドル前後で推移しています。2017年には、フリーキャッシュが100億ドルオーバーにもなっています。
まとめ
さまざまな指数により、ボーイング【BA】を分析しました。自己資本を大きく減らしている為、分析がずいぶんと見にくくなっていますが、増収増益であることと、フリーキャッシュフローの大幅な増加から、財務は安定しているといえそうです。また、最近の増配も魅力ですね。ただ、2017年に入ってから、急激に株価が上昇しており、これに伴う利益の確保が出来るかが、今後の課題になっていくのではないでしょうか。
それではっ
ボーイング【BA】は、工業株30種平均株価の採用銘柄です。