世界最大級の化学メーカである「ダウ・ケミカル」と、アメリカ最大級の化学製品製造会社である「デュポン」が経営統合して設立された会社、ダウデュポン【DWDP】について、徹底分析していきます。こんにちは、アメリカ株で資産運用をしている☆しまじです☆
目次
- ダウデュポン【DWDP】とは
- ダウ・デュポン【DWDP】の企業情報
- 30年間の株価推移
- 売上高と利益の推移
- 資本の推移
- EPSとPERの推移
- BPSとBPRの推移
- ROEとROAの推移
- 配当金の推移
- キャッシュフローの推移
- まとめ
ダウデュポン【DWDP】とは
ダウデュポン【DWDP】とは、アメリカのミシガン州ミッドランドに本社を構える、世界最大規模の科学薬品などを開発、製造販売している会社です。冒頭でも述べたように、2015年に、「ダウ・ケミカル」と「デュポン」が統合されてできた会社になります。つい最近ですね。
主事業は、3つの部門から構成されています。
- 農業部門・・・肥料や防虫剤、種子など
- 素材化学部門・・・高性能材料、コーティング、特殊プラスチックなど
- 特殊産業部門・・・エレクトロニクス、食品など
統合したばかりの、ダウデュポンですが、2019年6月1日までに、上記の3部門をそれぞれ、独立した会社として、事業分割する計画を進めています。新しく独立する会社名も決まっており、それぞれの部門で、
- 農業部門・・・Corteva Agriscience
- 素材化学部門・・・ダウ
- 特殊産業部門・・・デュポン
になる予定です。
ダウ・デュポン【DWDP】の企業情報
事業内容 : 肥料、防虫剤、種子
高性能材料、コーティング、特殊プラスチック
エレクトロニクス、食品、など
セクター : 素材
社名 : DowDuPont Inc
市場 : NYSE「ニューヨーク証券取引所」
従業員 : 98,000人
決算 : 12月
配当月 : 3,6,9,12月
30年間の株価推移
ダウデュポン【DWDP】の株価の推移です。30年間の株価チャートがこちら。ちなみに、2016年までは、ダウ・ケミカル【DOW】のデータとなっています。
30年スパンで見ると、株価は上昇していますが、リーマンショック時の下落が、ハンパでないです。1年間で株価は、なんと1/10まで下がっています。ただし、その後の切返しは、とても早く、4~5年で元の株価に戻しています。
結果論ではありますが、下落時も株式を保有し続ける事ができた方、そして、下落時に売却するのではなく、購入を選択できた方が、資産を増やすこととなりました。30年で見ると、大きく株価が上昇したわけではありませんが、3倍以上になっています。
売上高と利益の推移
続いて、売上高と利益について、過去10年間の推移です。
売上は、500億ドル~600億ドルの範囲で、ほぼ一定で推移していますが、純利益と営業利益は2015年まで上昇後、下がってきています。2017年は、税制改革により、大きく純利益を下げている模様です。
営業利益率は、決して高いとはいえず、それでも、ここ10年間で、一番の純利益を上げている2015年には、12%を超えるまでに上昇し、2017年で8%といったところです。
資本の推移
続いて、資本についてみていきます。過去10年間の推移がこちら。
2016年までは、ほぼ一定水準で推移しており、ダウ・ケミカルとデュポンが合併した後の、2017年には、総資産、および自己資本が2倍以上に膨れ上がっています。さらに自己資本率も上昇し、35%ほどから、50%超えるまでになっている状況です。
EPSとPERの推移
次は、1株あたり利益「EPS」と株価収益率「PER」の過去10年間の推移になります。
2016年までは、発行株式数が約10億株程で推移していたため、1株あたり利益「EPS」は、純利益に比例した形となっています。その差は結構大きく、低い時は1ドル未満、そして、高い時は6ドルと、6倍以上の高低差があります。
株価収益率「PER」は、株価が上昇する中、上がったり下がったりを繰り返していましたが、2017年の税制改革による純利益の急激な低下で、80倍にまで、上昇しています。
BPSとBPRの推移
続いて、1株あたり純資産「BPS」と株価純資産倍率「BPR」についてです。過去10年間のデータがこちら。
1株あたり純資産「BPS」は、20ドルでほぼ一定でした。ですが、2017年、合併により大きく資産を増やしたことで、3倍以上の60ドルまで増えています。
逆に、株価純資産倍率「BPR」は、右肩上がりに上昇を続け、2.5倍まできていましたが、1.1倍に落ち着きました。
ROEとROAの推移
株主資本利益率「ROE」と総資本利益率「ROA」の過去10年間の推移です。
一株あたり利益「BPS」と同じで、高い時と低い時の差が大きく出ています。また、2017年は、純利益の低下と、資産の増加にともない、株主資本利益率「ROE」と総資本利益率「ROA」は大きく下げています。
配当金の推移
気になる配当金と配当利回り、過去10年間の推移がこちら。
配当金は、業績により増配を止めて、減額する事もありました。ただ、業績が安定していれば、2011年以降のように、大きく増配を続けています。配当利回りは、リーマンショックで下がった後は、ほぼ3%で推移といったところです。
続いて、配当性向を見てみましょう
配当性向については、大きな谷型となっています。利益をしっかりと上げている時であれば、配当性向は30%~50%あたりです。
キャッシュフローの推移
最後に、キャッシュフローの推移になります。過去10年間のデータがこちら。
なかなかに多額な投資キャッシュフロー(40億ドル近く)でありながらも、毎年しっかりとフリーキャッシュをプラスとしています。安定した財務状況です。
まとめ
さまざまな指数により、ダウデュポン【DWDP】を分析しました。2016年までは、ダウ・ケミカル【DOW】の業績にて分析していますが、資本とキャッシュフローについては、安定した状況です。ただ、営業利益と純利益の高低がある為、それぞれの財務指標も、高低のあるグラフとなっています。
将来的には、3つの部門を、それぞれの会社として分割することを検討しており、これからも、様々な変化がありそうです。
それではっ
ダウデュポン【DWDP】は、工業株30種平均株価の採用銘柄です。